マニュアル翻訳の「品質」を決める「技術」

マニュアル翻訳の難しさ、求められる品質、必要な技術とFrontierが提供できるソリューションをチェックしてください。

そもそもマニュアル翻訳とは

メーカーの真剣度を示す指標

マニュアルのイメージ
- マニュアルは正確さに欠けると思わぬ怪我や事故を誘発してしまいます。製品と企業に大きな損失を与えることもあります。-

新しい家電製品を買ったとき、どのタイミングで取扱説明書(以下、マニュアル)を読みますか?使う前?困ったとき?それとも、引っ越しの片付けをしながら偶然見つけたホコリまみれのマニュアルに懐かしみながら目を通しますか?

ユーザーによってマニュアルの存在価値は様々です。しかし、メーカーにとって、マニュアルは「私たちが汗水を流して作った製品の全ての機能を余すことなく、安全に使ってほしい」という願いを込めたコミュニケーションツールです。

マニュアルを翻訳するときは、用語や表現に細心の注意を払いながらその思いを正確に伝える必要があります。正しく訳された文章であっても、伝えなければならない情報が抜け落ちると、ユーザーの理解を阻害するだけではなく、予想外の怪我や事故につながる可能性があります。

このように、マニュアル翻訳には多くの注意事項がありますので厳格な品質管理を必要とします。その品質を確保するために様々な知識と技術を組み合わせなければならない点が通常の翻訳とマニュアル翻訳の違いを生み出しています。

マニュアル翻訳が抱える問題点

品質の合格点

原文と同じ意味を伝える翻訳であることは言うまでもありません。正しく翻訳されることが翻訳の大前提です。マニュアル翻訳の品質を決定づけるのはズバリ“用語と表現の統一”です。業界の人でなければピンとこない考え方なので、詳しく説明します。

用語の統一

次の場面を想像してください:
クルマに詳しくないペーパードライバーの親に新車を買ってあげました。親は反対していましたが、週2回20キロ離れたとなり町の病院まで自転車で通院している状況を子供として放っておけなかったのです。ディーラー周辺は交通量が多く、そこからいきなり運転させるのは酷なので、車を実家の駐車場まで運んであげました。その日は一緒に走りながら使い方を説明しようと考えていましたが、会社からの急な仕事で実家をそのまま出発。「とりあえず、クルマのマニュアルを見ながらやってみて」と親に言い残しながら。

用語統一の重要性を説明したイメージ
- これはマニュアルとしては大きな失態であり、クレームまたユーザーのケガにつながる可能性があります。-

30年ぶりの運転です。早速最初の壁に阻まれました。カギを挿す場所がないからドアが開けられない。そもそも、カギがない!付属品の箱をいくら探しても、でギザギザの金属が付いたカギらしきものは見当たらない。マニュアルの78ページ“ドアの開け方”を見ると、ドアを開けるにはどうやら「スマートリモコン」を使う必要がある。「スマートリモコン?なにそれ?」。「18ページの付属品一覧を見ればどういうものか分かるはず!」と思いついたものの、「スマートリモコン」に関する記述はなく、「インテリジェントキー」のイラストしかありませんでした。

このように、同じものを指しながら違う用語を使うと意味が伝わらない、という結果を招きます。「使い方を教える」という役割を果たしていないどころか、ユーザーからクレームの嵐が来るのは目に見えています。そのようなマニュアルでユーザーが怪我したり、思わぬ事故が発生したりすれば、すぐ訴訟問題に発展します。“製造物責任”が問われます。

表現の統一

表現不統一の気持ち悪さを表したイメージ
- 一世一代の買い物で手に入れたマイホーム。こだわっていたキッチンのタイルがこのようになっていたら?-

表現の統一については、前述のような分かりやすい例にするのは困難です。一言でいうと“文章を読み進めていく時に感じる強烈な違和感”でしょうか。言葉で説明するのは難しいので、タイルのイメージで表してみました。 マニュアルの表現が統一されると内容がビックリするぐらい頭にす~っと入ります。逆に“流れ”が崩れると簡単なものでも理解しづらくなります。行き慣れているスーパーがレイアウトを変更した時のように、何がどこにいったのか分からなくなり、知らずしらずストレスが溜まります。

ユーザーがマニュアルを理解できないと不要なクレームが増え、誤った製品の使い方で思わぬ事故の発生につながります。マニュアル翻訳で表現の統一が重要視される理由はそこにあります。

理想と現実

用語と表現の統一はマニュアル翻訳の重要な品質です。その品質を保持するため、 用語集スタイルガイドが大きな役割を果たします。用語集には使用すべき単語が指定され、スタイルガイドには使用すべき表現が定められています。いわば翻訳のルールブックのようなものです。理論上、「その二つのルールブックに従えば品質の悪い翻訳になるわけがありません」と断言することはある意味できます。しかし、現実は少々違います。

例えば、用語集とスタイルガイドは両方を合わせて50項目(50個のルール)があったとしましょう。50個のルールを記憶して守りながら翻訳するのは大変ですが、翻訳原稿が250ワード(1ページ)だけだったら“気合い”で何とかなります。実際に、業界の多くの翻訳会社と翻訳者はテキストエディタ―と“気合”だけで品質を保っています。

しかし、マニュアルは製品や内容によっては一冊数百ページ、100万ワード以上の規模になります。さらに、実際の用語集とスタイルガイドの項目数はものによって3000項目以上に上ります。様々な技術を組み合わせた合理的な品質管理が必要ですが、業界のスタンダードはまだ“ルールを暗記して目で必死に探す”(前出の“気合いチェック法”)です。「信じて依頼した翻訳に裏切られた」経験の原因はここにある可能性が高いと言えます。

Frontierのソリューション

合理的な信念

「人間はミスする生き物」です。生まれてこの方一度も消しゴムを使ったことのない人はそう簡単に見つからないと思います。しかし、チェック工程でもミスを見逃してしまえば、翻訳の品質はいつまで経っても上がりません。
そのため、フロンティアは一つの信念である「翻訳は人間、チェックは機械」を貫いています。

文節単位の解析技術

原稿の解析イメージ
- 見た目や感覚ではなく、原稿を文節単位で様々な観点から数値的・具体的に解析します。-

いい家は釘と金槌だけでは建てられない。設計図をはじめ、無数の道具と職人の技術を組み合わせる必要があります。同じように、いい翻訳はテキストエディタ―と翻訳者の記憶だけでは生まれません。

Frontierは最新のアプリケーションで原稿を文節ごとに分け、文章全体を体系的に捉えます。文字の数、類似している文節の有無、文節の類似率、用語集・スタイルガイドの有効性等、様々な観点から原稿と向き合います。翻訳者はその数値や特長から最適な翻訳方法を選んで訳文を編み出します。

現場で培った豊富な経験

Frontierの翻訳者はマニュアル制作の現場で確かな経験を積んでいます。原文が伝えたいことを確実に伝える訳し方で翻訳します。

学習能力を備えた高精度なチェック

文節ごとに翻訳された原稿はそのあとチェック工程に移ります。3000項目にも及ぶ用語集・スタイルガイドがプリセットされたプログラムによって高い精度でチェックされます。プログラムには学習能力機能があり、ミスとして新たに登録されたフィードバックが次回のチェック項目として追加されます。

社内翻訳ならではの高いセキュリティー

発売まであと数か月、細心の注意を払って開発していた製品の新機能とスペックが市場に漏れ、予定していた発表イベントの効果が薄れました。そのような経験はありますか?私たちはあります。

20年前まで情報はただの情報でした。しかし、現代では情報はお金そのものです。利益に結び付く場合があれば、大きな損失を与えることもあります。Frontierは“情報の価値”を知っています。クライアントのご依頼を第三者に再委託せず、社内の高いセキュリティー環境で翻訳しています。最新の設備を導入し、ファイルの暗号化、ITリテラシーの定期的な研修など、ソフト・ハードの両面から徹底したセキュリティー対策に力を入れています。

万全のサポートサービス

対応できるファイル形式

対応できるファイル形式
- 小さなテキストファイルから大規模なFrameMaker形式まで、DTPを含めて対応できます。-

Frontierは簡易なテキストファイルから、Microsoft Word、Microsoft Excel、Adobe InDesign、Adobe FrameMaker、DITA、HTML形式のWebマニュアルやヘルプファイルにも対応しています。いずれもFrontierの翻訳者が使い慣れている形式なので、ファイルの中身やレイアウトを壊すことなく、ご希望の翻訳に仕上げます。その他のファイル形式についてはご相談ください。メジャーなファイルではなくても、私たちの翻訳プロセスに組み込めることがほとんどです。

DTPで見た目もキレイに

原稿の解析イメージ
- DTPの知識を持っている翻訳者だからこそ、ファイルを壊すことなくキレイに翻訳できます。-

翻訳はされているものの、ファイルがぐちゃぐちゃになって戻された経験はありますか?正規のアプリケーションを使用せず、知識もないまま文章だけを翻訳するとそうなってしまいます。

Frontierはそれぞれのファイル形式、アプリケーションの知識を持った翻訳者が対応しますので、ファイルが壊れて戻されることはありません。それどころか、翻訳言語に合わせた改行等のレイアウト調整までやって行って納品します。DTPを含めたマニュアル翻訳サービスを提供していますので、ご希望の場合はお見積り時にお知らせください。何をどのように、どのタイミングでやれば一番効率がいいのかを含めてご案内します(営業トークはもちろんしません)。

旧製品のレガシーを保ちながら翻訳します

対応できるファイル形式
- 翻訳をメモリーに蓄積することで、品質を保ちながら過去の資産を有効活用できます。-

「シリーズ内の統一感を保つため、今まで開発した製品のマニュアルに翻訳を合わせてほしい」。Frontierはその思いにも応えます!
それまで翻訳されたマニュアルを解析し、翻訳メモリーを構築することによって、マニュアル間で翻訳を統一することもできます。旧製品を使用しているリピーターが違和感なく新製品にも素早く慣れ親しむことができます。
さらに、今回翻訳されたマニュアルの訳文データが蓄積されますので、次回の新しいマニュアルがより早く、より安く、そしてより分かりやすくなります。