世界的スポーツブランドECサイトの前にはだかるツールとマーケティング翻訳の壁 ”ブランドアイデンティティ”をどのように守ったのか

特殊なツールとマーケティング翻訳特有の問題で進展がないまま、ECサイトの公開日が刻々と迫っていた

全く前に進まない翻訳に担当者が焦りで途方に暮れていた。スケジュールが遅れているなか、Frontierはどのように問題を解決したのか?

目次

まずはケースの概要から

    • ソース言語
    • 英語
    • ターゲット言語
    • 日本語
    • 規模
    • 80万ワード
    • レイアウト調整
    • 不要
    • 内容
    • スポーツ用品
    • CATツール
    • Transit NXT、Xbench
    • 納期
    • 長期
    • ファイル形式
    • Transit NXT

スポーツ用品ブランドの日本語版ECサイトを立ち上げる

世界的なスポーツブランドが日本でECサイトを立ち上げようとしていました。商品は斬新なものが多く、日本法人も活気に満ち溢れた才能豊かなチーム。担当者も全力で取り組んでいました。

ECサイトの前に立ちはだかる壁

海外企業で英語版ECサイトを既に作成していたため、システムはできていました。必要なのが英語から日本へ翻訳することだけでしたが、そこに大きな問題が発生していた。

翻訳ツールの問題

ECサイトで取り扱う商品は数千単位で、各商品のページが存在していた。莫大なファイル数を効率良く管理するため、Star社のCATツールであるTransit NXTが使われていました。

Transit NXTは主に自動車関連翻訳に使われるため、翻訳業界でもかなり珍しい部類に入ります。そのため、扱える翻訳会社・翻訳者はほとんどいません。仕事を取るため「出来る」と手を上げた翻訳会社がありましたが、翻訳できなかった上、ファイルを壊されてしまいました。

ブランドアイデンティティを守る大変さ

自社ECサイトで商品を売る場合、写真はもちろん大事ですが、文章で商品の良さや独自性をPRする必要があります。ブランド独自の表現や言葉で築き上げたアイデンティティを守りながら、客を引き込むことが重要です。

ブランドアイデンティティと商品のPRを意識した翻訳を「マーケティング翻訳」と呼びますが、注意すべき点が多く、意外と難しいジャンルです。知識がない翻訳者がやると、平べったい、無味無臭な商品説明になってしまいます。この点がスポーツブランド担当者が気になっていたポイントの一つでした。

Transit NXTのフル活用とブランドアイデンティティを重視した翻訳

担当者は複数の翻訳会社を試すも失敗に終わり、ECサイトの公開スケジュールに大幅な遅れが出はじめた。途方に暮れていたところ、知り合いを通じてFrontierに相談しました。ヒアリングを経て、私たちは次のように解決していきました。

Transit NXTの翻訳機能だけではなく、ファイル転送機能もフル活用

Transit NXTは高機能なCATツールのため値段も高価です。そのせいか、使用できる翻訳者・翻訳会社はほとんどいません。情報が少ないためあまり知られていませんが、実はTransit NXTに強力なファイル管理・転送システムが付いています。

Frontierはそのファイル転送システムの使い方も知っていたため、日本にいる担当者からリレー形式でファイルをもらうのではなく、海外本部から直接ファイルを受け取れる体制を構築しました。担当者の負担が減っただけではなく、ファイルやり取りのスピードが格段に上がったため、遅れていたスケジュールを回復させることができました。

ブランドアイデンティティを独自の技術で徹底的に守る

他の業者が守れなかったブランドアイデンティティについてヒアリングを行ったところ、機械翻訳と翻訳者の事後チェック(MTPE)が一つの原因として浮上しました。機械翻訳は細かい部分まで訳し分けできないため、品質はポストエディットを行う翻訳者の腕次第になります。しかし、MTPE体制では翻訳者に支払われる単価は通常の30~40%のため、翻訳者も品質を30~40%に落として作業します。そのため、マーケティングに適した翻訳は期待できず、担当者も重視していたブランドアイデンティティが守られなかった結果に。

Frontierは100%人間が翻訳していますので、細かい部分までに気を配った翻訳ができます。さらに、独自の技術を使うことで、ブランド特有の表現や用語(スタイルガイド・用語集)を正確に使えます。自然な翻訳とブランド特有のルールに従うことで、ターゲット層に“刺さる”文章を作り上げることができました。

他では得られないFrontierならではのメリット

私たちは依頼者の頭痛の種の取り払うだけではなく、独自の翻訳方法でさらに多くのメリットを提供する:

スタイルガイドの追加条項

翻訳者にしか見えない問題をスタイルガイドの新しい条項として提案して、翻訳の品質をさらに高めていく。

ターゲットを考えた創造的な翻訳

海外でウケた文章でも、日本のターゲットに刺さるとは限らない。この場合Frontierは原文から離れ、商品の購入につながる最適なPR文を新しく作ります。

Before / Afterと結論

依頼者が当たり前だと思っていた納品後のチェックと修正。その“隠れコスト”問題はFrontierに相談する前と後でどのように変わったのか?

項目 Before After
実行力 対応できないのに「できる」という業者で計画が頓挫していた。 専門技術と知識で計画が進展し、スケジュールの遅れも回復できた
効率 Wordに文章を貼り付けて、ファイルをメールで送信するなどの手間が発生していた。 Transit NXT上で翻訳するだけではなく、ファイルのやり取り自体もツール上で直接行った
品質 マーケティング翻訳とは程遠い平べったい説明だった。 ブランドアイデンティティを守りながら、売り上げにつながる翻訳を生み出した

翻訳はCATツールやジャンルが変わるだけでまるっきり違うものになります。翻訳者も翻訳会社もそのことを知っていますが、お金を取るため、「出来る!」と返答します。この“不誠実さ”が問題の原因です。

私たちはかつてメーカーで依頼する側にいたので、このことを何回も経験しています。
だからこそ、Frontierはできることだけを「できる」といい、できないことはハッキリ「できない」と答えます。

翻訳会社を選ぶときはこの点を意識してください。結果が大きく変わります。

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